2008年1月11日金曜日

村上春樹「走ることについて語るなんとかかんとか・・・」


このけったいな題名のついた本を読んだ。もってまわった題名からして、気取ったモノローグではないかと警戒して読み始めたのだが、案外面白くすっと読めた。
まず、村上春樹がこんなにたくさんマラソン、ロードレース、トライアスロンの試合に出ているというのを知ったのがまず驚きだった。しかもさすが凝り性で、いい加減にぽっと出ているわけでなく、ちゃんと自分の体を分析しつつ練習をし、トライアスロンの場合はバイクとスイムのコーチまでつけてやっている。やるならそれだけやるのは好感が持てる。
それから、ボストンやニューヨークやアテネなど海外のマラソンシーンが多く出てくるのがうらやましい。僕も決して日本のランニングライフに飽きたわけではないが、せっかくそれなりに走れるうちに海外で(レースに限らず)走ってみたい。
マラソンと老いということについても盛んに考察している。やはり走るからにはタイムにこだわる著者ならではだ。40台中盤からは同じことをしていればどんどん落ちてくる。やはり避けようのないことらしい。こういう話題を読まされると、もじもじするような焦りにおそわれてしまう。本当にタイムが落ち始めてからもマラソンを楽しめるかどうか、自分に自信がないからだろう。
著者も一時マラソンに「燃え尽き」ていたようだが、それなりに自己をチューンアップしていく楽しみは捨てきれないのだろう。ただトライアスロンに逃避?したり新たな世界をのぞきつつ今後も走り続けていくようである。
僕もウルトラ、トレイルなど以前は食わず嫌いで遠ざけていたランニング分野に足を踏み入れつつあるわけで、こうして息の長いランナーになっていけるのかもしれない。
いずれにせよ、ランナーであれば間違いなく面白く読める本だ。

0 件のコメント: