2008年11月8日土曜日

またも未受診妊婦

どこにも受診したことのない妊婦が仕事場で分娩をしたというので救急隊が臍の緒でつながった赤ちゃんごと搬送してきた。今度は幸い早産ではなかったようで、赤ちゃんは3000g前後あり、元気だ。
こういう妊婦の共通点は、こちらが手を尽くして搬送しても、分娩の面倒を見ても、決して「ごめんなさい」とか「すみみませんでした」とか「ありがとうございました」と言わないこと。まるで自分が被害者であるかのように泣きじゃくったり、痛い痛いとだだをこねている。
実はこの人たちは自分が社会的に指弾されるべきことをしたと十分わかっているに違いない。医療者とコミュニケーションを始めてしまえば、当然「どうして病院行かなかったの」と叱られることを知っている。だから自分が子供になったかのように泣き叫ぶことで対話を拒否していると推測する。
当然ながら医療者側もこうした妊婦に対して温かい気持ちが持てるはずもない。こういうお産に喜びを感じられるN大くんは特別に人間の器が大きいのだろう。せめて分娩費用をきちんと払っていってくれることを願うのみであるが、費用徴収に我々が直接関与することはなく、あとは医務課とソーシャルワーカーさんのお仕事である。
せめて夜中でなくて日中でよかった。
ちなみに赤ちゃんは仕事場で生まれたが、胎盤は搬送されてきた後分娩室で娩出されたので、分娩費用は請求できるのだ。これも「でかした」ことの一つである。

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