2008年11月21日金曜日

ハーフマラソンでの距離間違い〜対策は?

今月9日に行われた「第3回世田谷246ハーフマラソン」で誘導ミスが起こり、選手が本来よりも約1km短い距離を走ってゴールしていたという。このマラソンは今回から陸連公認となり、箱根駅伝出場大学も選手選考を兼ねて多数参加していたというから、責任は大きい。
ミスはゴール近くで起こり、本来なら駒沢競技場の周囲を半周してゴールするところを、係員の誘導ミスで半周しないままゴール、となってしまったらしい。
思い出すのは、約2年前のサンスポ千葉マリンマラソンでの誘導ミスだ。これは僕自身が「被害」を受けて、静かな怒りの手紙を主催者に送ったのも記憶に新しい。
今回との共通点は、
(1)ハーフマラソンという距離であること
(2)「公園内を大きく迂回」とか「競技場周囲を半周」とか、距離あわせのために本来遠回りさせるべきところを近道させてしまったこと
(3)当該のコースが採用されてからまだ2-3回目であること
である。ここに誘導ミスがおきる原因が隠されている(ように思う)。
まず、(1)だが、まだハーフマラソンという距離が「実感を持って」競技役員や誘導役の高校生らに理解されていないのではないか。考えれば、21.0975kmだとは計算できるかもしれないが、例えば、じゃあ20km地点を通過したら、どれくらい走ってゴールに至るかという距離感覚が(よっぽどハーフのレースに何回も出たことのあるランナーを除いては)体感されていない。これが5kmとか10kmとかキリのいい距離だったら、あるいはフルマラソンだったら、案外こういうことは起きにくいんじゃないかと思う。
次に(2)。これが(医療安全的には)ミスの起こりやすい最大の原因だろう。ただ、コースを設定する側としては、周回コースだと距離あわせをする場所はスタート付近かゴール付近しかないし、折り返しなら問題なさそうだが実際は道路上どこでも折り返せるわけでもないし、というジレンマがあって、なかなかこの距離あわせのための迂回を根絶することはできない。
そこへもってきて(3)で、係員がそのコースで選手を走らせた経験が少ないと、咄嗟に、あるいは思いこみで、間違った方へ(コースとしては素直な近道の方へ)誘導してしまうことはありうるだろう。
またまた医療安全的に言えば、こうした事故の10倍以上の頻度で「ヒヤリハット」が起きている可能性があるわけで、レースの主催者はすべからくコース誘導ミスの起こりやすい個所に対する対策を講じておく必要があるだろう。
すなわち、
・距離あわせのための迂回の個所はなるべく少なくする
・その個所には、毎年同じ係員を配置する
・その個所では、実際に係員や学生を選手が通る前にリハーサルで走らせてみるなどして、正しいコースどりを係員が「イメージ」しておく
・係員が正しいコースを了解していても、先頭の白バイが間違えることもあるわけで、それを防止するために、早めから正しい方向へ大げさに旗を振るなどして白バイを誘導する
いかがだろうか。

***これを書きながら記憶の底の方から甦った風景がある。小学校5年のマラソン大会。大学構内を走ってきてゴールは小学校の校庭。僅差の3位で校門をくぐった僕は、1・2番の子が校庭内の間違った方向へ行きかけたのを尻目に、事前の「学習」通りにそれとは逆の正しい方向へ進み、瞬間入れ替わった順位のまま1位でゴールテープを切った。なんだか気まずい優勝だったけど、先生の誘導ミスが原因ではなかったからなあ・・・。今ならコース選択も実力のうち、と言えるけどね。翌年はちゃんとホントに1位になって、ホッとしたもんだ。

0 件のコメント: