2008年11月20日木曜日

「使える」学生


今回僕の診療チームについたBSL5年生はなかなか「使える」。
もはや診療参加型実習をめざす埼玉医大の産婦人科BSLでは、学生実習は「教える」ものではなくて「一緒に診療する」ものに変貌している。僕自身が学生だった頃とは隔世の感がある。
ただ、たった2週間では学生の性格によってはなかなかうち解けなかったり、腰が引けたままだったり、そうなかなかうまくいくものではない。今回は「いそっち」はその点、適度にずうずうしくて厚かましく、でも飲食店バイトで鍛えた?言葉遣いはきっちり先輩後輩関係を意識したものでソツがなく(我々医師に対しても患者に対しても)、出来事が起きていると引っ込むことなく、どんどん顔を突っ込んでいく。なかなか得難いタイプの学生だ。
一昨日も夕方から、子宮外妊娠疑いの外来診察、腹痛急患入院、正常分娩、子宮筋腫による不正出血・重症貧血入院、手術前診察、双胎分娩方式相談、双角子宮の切迫流産妊娠予後説明、分娩誘発予定妊婦ミニメトロ挿入、と立て続けに夜10時まで頑張って見学、じゃなく手伝ってくれた。
昨日も午後5時間手術、入院患者回診、胎児発育遅延妊婦の超音波診察、とやはり夜11時まで研修医以上のスケジュールをこなし、そのまま当直実習に入っていた。さらに今朝には打ち合わせ通り、その妊婦についてのプレゼンテーションを(僕不在の)カンファレンスで行い、母体搬送先から外勤中の僕まで電話報告してきてくれた。
うむ、ここまでくれば「使える」学生だと言ってよかろう。
本人が面白がっているのがわかるから、こちらもどんどんかまいたくなる。好循環である。
ちなみに彼、帰宅部である。これまでどうも部活に入っていない学生たちは、言葉遣いや行動力、上下関係、積極性の面で劣っているという印象があったが、ちょいと先入観を改めた。飲食店バイトにも同様の「人間教育」効果があるということか?

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