2009年8月15日土曜日

東洋大学関連の2冊

書店でこの2冊が並んで置かれていたので、つい両方とも購入。
「監督 挫折と栄光の箱根駅伝」 川嶋 伸次 basilico
「魂の走り 鉄紺の誇りを胸に」 石井 安里 埼玉新聞社
読むのはこの順序が正解。
川嶋さんについてはいくつか謎があった。
昨年12月の部員の痴漢逮捕事件の後、潔くきっぱり辞任してしまったわけだが、その後箱根駅伝関連の報道、テレビ番組にも一切登場しなかった。その「雲隠れぶり」も潔かったが、果たしてどの程度「こっそり」東洋大チームの最終調整や区間配置、当日の指示に関与できたのだろうかということ。川嶋さんが作り上げたチーム、川嶋さんの采配なくして優勝はできなかったろうと思う。
これについては、記者に見つからないよう木陰からグラウンドを見守った、駅伝当日も帽子にマスクで変装して沿道に立ったが声はかけられなかった、などと明かされている。最終調整練習のメニュー変更やオーダー作成にも関わったこともわかり、何かほっとした気分である。自分の育てたチームの晴れ舞台を他人に委ねて歯噛みして見守っただけだとすると、残酷だと思っていたから。
なおこの「謹慎期間」は毛呂山町の実家に戻っていた、というけど、埼玉医大も毛呂山町。近くにおられたんだなあという感慨もあり。
もう一つの謎は、川嶋さんといえば市民ランナーとの関わりが積極的だったことで、少なくとも地元では有名だったが、東洋大の監督という立場との両立は難しくなかったのかということ。これは心配することはなかったようだ。市民ランナーの純粋な走りたい気持ちを見せることで選手も刺激されたり自分の恵まれた立場を認識したりとメリットが大きいようだ。この考えは私も大賛成なのだが、なかなか「雑音」や「目の毒」を排除したがる指導者も多いもので。
今後も必ずや陸上指導の表舞台に返り咲く人だから、その日を楽しみに待とう。
さて川嶋さんの本を読んでから埼玉新聞の方を眺めると、選手の個性が写真と一致して面白い。
おすすめである。

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