2009年11月21日土曜日

「セメンヤ問題」を講義〜ラグビー日本代表についても

日本体育協会のスポーツ栄養士講習会で「授業」をしてきた。
学生向けの講義とか医者相手の学会発表とか、いろいろ人前でしゃべる機会があるが、このようにスポーツに関心のあるパラメディカル(栄養士とかトレーナーとか)相手が一番話しやすい。
女性スポーツ医学の実践的なところによく食いついてきてくれるし、こちらも医学データのスライドだけでなくて、むしろQちゃんが両手を上げてゴールしている写真とか、ヤワラちゃんの写真とか、そんな画像で気をひくことができ、スライドの枚数も稼げてしまう。
細かい医学上のうるさい質問も来ないし・・・。

ただ、今日は2時間も持ち時間が与えられていて、いつもの「無月経」「月経調節」の話題だけでは持たないので、終盤はホットな「セメンヤ問題」について語ることにした。
というわけで昨日のテレビ出演後に作成したスライドは全て「セメンヤもの」。
ネットでニュース記事を検索して、そのままEVERNOTEに貼り付けて、適宜スクリーンキャプチャーをしてPowerPointに載せるだけ。便利な世の中になったものだ。
セメンヤ問題に関して、2ヶ月半にわたって登場した諸報道から読み取れる「裏のストーリー」を読み解いてみせる。どうして性別検査を受けていることを「ばらしてしまった」国際陸連側が咎を受けずに南アフリカ陸連の幹部が処分されたか、世界陸上開幕前にどこまでわかっていたか・・・。
ただ言えることは、セメンヤ選手本人は騒動に翻弄された犠牲者であろうこと(大いに傷ついたのは間違いない、金メダルと賞金は手にしたけれども)、今後セメンヤ選手が国際舞台で名を轟かすことはないであろうこと、の2つである。

渋谷での授業を終えて、そそくさと銀座線で秩父宮ラグビー場へ。久しぶりのラグビー観戦は日本対カナダのテストマッチ。日本の完勝だった。完勝すぎて、どきどきはらはらする場面はなし。
でもやっぱり外国人がこんなに入っている「日本代表」というのは違和感がある。いっそのこと「日本協会代表」としてはどうか。
「日本代表」は「日本(人の)代表」という国籍が連想される。日本ラグビー協会代表ならば、所属の選手にはもちろん日本でプレーする外国人選手がいてもいいわけで、受け入れられる。
それから代表のジャージについても注文。
陸上競技の日本代表ユニフォームがアシックス社の白地に赤タスキからミズノのネイビー主体のデザインにチェンジしたとき、「こんなの日本代表らしくない!」と違和感を覚えたものだ。
同じことをラグビー日本代表が白赤の縞模様の桜ジャージからカンタベリーの黒赤ジャージに変わったときにも思った。確かに強そうに見える。外国人選手には桜ジャージよりも似合うだろう。
でも「日本らしい!」という個性がない。白赤は貧弱に見える反面、穢れないひたむきな精神性を感じさせたものだ。今日もカナダのユニフォームと見分けがつきにくく、実際に五郎丸選手は背走するカナダ選手にパスを回していた(スタンドため息)。
陸上が再びアシックス社と契約して白赤の旧デザインに回帰する傾向を見せている現在、どうだろう、もういちどラグビー協会もカンタベリー社にデザイン注文を出してみては。

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