2011年3月28日月曜日

全国高校女子駅伝の功罪〜若手女子ランナーとその指導者へ

全国高校女子駅伝という大会がある。私はこの駅伝には功罪両面があると思っている。平成22年で第23回を数えるこの大会は5区間、21.0975kmの距離で行われ、NHKで全国放映される。才能ある若いスピードランナーの発掘の場であり、実際に中高校生ランナーのモチベーションを高めるのに役立っていることは確かだろう。しかし、どうしても指導者や学校は成績を追求してしまう。選手を5人揃えなければならないため、チーム内で走力に差がある場合に中堅以下の選手に無理が来るし、選手の月経状況に注意を払える指導者はまだまだ少数派。選手本人も(親も)選手に選ばれたいがため、故障しても月経が止まっても走ろうとする。結果的に将来大成するような選手を生み出していない、ないしは将来の芽を摘み取っていやしないかという問題が存在するのだ。月経が止まる、というのは「無理が来ているよ」というサインなのだから。
では女性ランナーを見守る我々になにができるだろうか。
まずは月経異常の「早期発見」。これは選手本人の自覚もさることながら、トレーナー、チーム栄養士、コーチ、親の役割ともいえる。
次に「数値化」。ホルモン値、骨密度に加え、体重・摂取カロリー・消費カロリーを把握することにより適切な対策を立てねばなりません。栄養士の協力も必要となる。
そして「早期介入」。トレーニング強度、摂取カロリーの見直し、(低エストロゲン状態の場合は)ホルモン補充療法の開始を早急に検討せねばならない。

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