2013年7月6日土曜日

安藤美姫選手について追加〜今度は日テレ

昨日は外勤先に日テレ「シューイチ」の担当者がやってきたので、また安藤選手のことや出産後の競技スポーツ復帰について、話をした。放映は7月7日(日)8時前くらいからとのこと。

出産後の競技復帰の先例として、ラドクリフさん、赤羽さん、小崎さんなどがとりあげられるが、今回の安藤選手とは大きく異なる点が一つある。前者が、出産後にも数年単位で競技生活を息長く続けることを前提に復帰しているのに対して、安藤選手は10ヶ月後に迫った特定の試合(ソチ五輪)だけをターゲットにして、五輪で引退することを前提にしている点だ。ひょっとするとバレーボールの大友選手なども安藤選手型だったのかもしれない。
だからこそ安藤選手は産後の練習再開を急ぐわけだし、悲壮感を湛えつつ勝負試合に類い希なる集中力で臨むという安藤選手のスタイル(美学?)にも合致しているように思われる。
婦人科スポーツドクターである私としてはかねがね、結婚後・出産後に競技生活のピークを迎えるような「ホンモノの成熟した女性アスリート」が日本に増えて欲しいと願っている。だから、できれば安藤選手にも(せっかく産後に復帰するのだから)ソチ五輪で燃え尽きるような競技生活の終わり方ではなく、4年後くらいまでを視野にいれた息の長い活躍をしてほしいと思う。そうしてこそ「(無理しないと)母親業と競技生活は両立できない」というメッセージではなく、「出産後も競技を続けられるんだよ」というメッセージを後輩の女性アスリートたちへ贈ることができるのではないか。
そして、五輪への挑戦がうまくいったにせよ不幸にして失敗に終わったにせよ、妊娠中のトレーニング内容や産褥の復帰プログラムなどをぜひ(後日)公開してほしいものである。これは今後、出産後の競技再開を目指す女性アスリートにとって大いに参考となるはずだから。
というわけで、五輪への挑戦が終了した後の安藤選手の生き方にも注目したいと思う。

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